「いまの金額に納得できなくて」──ホームページの月額費用を見直した話

ある日、パーソナルジムを経営されている方から相談をいただいた。

「いまのホームページに毎月お金を払っているんですが、正直、納得できていなくて……」

声のトーンから、ずっと一人で悩んでいたんだろうなと感じた。聞けば、開業のときにホームページ制作を依頼して、それ以来ずっと月額費用を払い続けているという。でも、何にお金がかかっているのかよく分からない。効果があるのかも分からない。かといって、やめたらどうなるかも分からない。「分からない」が重なって、身動きが取れなくなっていた。

こういう相談は、実は珍しくない。特に小さな事業者の方に多い。今回は、この相談にどう向き合って、どう解決したかを書いてみたいと思う。

ホームページの月額費用──毎月3万円の内訳が分からない

詳しく聞いてみると、毎月3万円ほどの費用がかかっているという。

ただ、その3万円が何に対する費用なのか、ご本人はよく分かっていなかった。契約した当初は「プロにお任せしたほうがいい」と思って、細かいことは聞かずに進めたそうだ。開業準備で忙しいときに、ホームページのことまで頭が回らないのは当然のことだと思う。

ホームページの月額費用には、一般的にいくつかのパターンがある。

  • サーバー(データの置き場所)とドメイン(ホームページの住所)の維持費
  • サイトの保守・管理費(更新作業やセキュリティ対応など)
  • 制作費の分割払い(初期費用を抑えるかわりに月額で払う形)
  • 上記の組み合わせ

サーバーとドメインだけなら、実は月に数百円〜数千円で済むことが多い。それなのに月3万円かかっているとなると、管理費や制作費の分割が含まれている可能性が高い。

問題は、どこまでが妥当で、どこからが「払いすぎ」なのかが、専門知識がないと判断しづらいこと。だから「高い気がするけど、これが普通なのかも」と思って、そのまま払い続けてしまう。

「効果があるか分からない」という不安

費用の問題に加えて、もうひとつ大きかったのが「このホームページが集客に役立っているか分からない」という不安だった。

毎月お金を払っている以上、何かしらの効果を期待するのは当然のこと。でも、ホームページからの問い合わせがどれくらいあるのか、そもそもどれくらいの人が見ているのか、把握できていなかった。

パーソナルジムのお客さんは、知人の紹介やSNS経由で来ることも多い。そうなると「ホームページがなくても困らないのでは?」という気持ちと、「でも、ないと信用されないかも」という気持ちが行ったり来たりする。

この「あったほうがいい気はするけど、お金をかけるほどなのか分からない」という状態が、いちばんしんどいのだと思う。

ホームページの管理状況を確認する──最初にやったこと

相談を受けて、まず取りかかったのは現状の確認だった。いきなり「作り直しましょう」とは言わない。今の状態を正しく把握しないと、正しい判断ができないからだ。

具体的には、以下のことを確認した。

  • 契約内容:何の契約で月額費用が発生しているのか。契約期間の縛りはあるか
  • ドメインの名義:ホームページの住所にあたるドメインが、誰の名前で登録されているか。制作会社名義になっていると、移行のときに手続きが必要になる
  • サーバーの状況:データがどこに置かれているか。自分でアクセスできるか
  • サイトの中身:どんなページがあって、どんな情報が載っているか

この確認は地味な作業だけれど、ここを飛ばすと後から大きなトラブルになることがある。たとえば、ドメインが制作会社の名義のままだと、契約を解除したときにホームページの住所ごと失ってしまうケースがある。それまで検索で見つけてもらえていたのに、URLが変わってゼロからやり直しになる。

今回は幸い、ドメインの移管もサーバーの切り替えも問題なく進められる状態だった。

ページの取捨選択──「本当にこのページは必要か」を考える

現状が整理できたら、次はサイトの中身を見ていく。

このとき、今あるページをそのまま新しいサイトに移す、というやり方はしなかった。ページをひとつずつ見ながら、「本当にこのページは必要なのか」「この情報の見せ方で、お客さんに伝わるのか」を考えた。

たとえば、パーソナルジムのサイトで大事なのは何か。

  • どんなトレーニングができるのか
  • トレーナーはどんな人なのか
  • 料金はいくらか
  • 場所はどこか、通いやすいか
  • 体験レッスンはあるか

初めてサイトを訪れた人が「ここに行ってみたい」と思うために、この情報がしっかり伝わればいい。逆に言えば、それ以外のページは削ってもいいし、まとめてもいい。

元のサイトには、あまり読まれていないであろうページや、情報が古いまま放置されているページもあった。こういうページは、あるだけでサイト全体の印象を下げてしまうことがある。「情報が多いほうがいい」とは限らない。

やり取りの負担を減らす──忙しい経営者に配慮した進め方

もうひとつ意識したのは、相手の負担をできるだけ減らすことだった。

パーソナルジムの経営者は、日中はレッスンがある。朝から夜までお客さんと向き合っている。何度もメールを送って確認をお願いしたり、打ち合わせの時間を何回も取ってもらうのは現実的ではない。

だから、こちらで現状のサイトの情報を読み取って整理し、「こういう構成にしようと思います」「この情報はこう見せようと思います」とまとめた状態で提案するようにした。相手は「いいですね」か「ここはこう変えたい」と判断するだけで済む。

これは今回に限った話ではなく、小さな事業者の方と仕事をするときにいつも心がけていることでもある。忙しい人に「どうしますか?」と丸投げするのは、親切なようで実は負担になる。選択肢を絞って、判断しやすい形で渡す。そのほうが、お互いにとって良い結果になることが多い。

2週間でホームページの移行が完了──月額費用はゼロに

結果として、約2週間で新しいサイトへの移行が完了した。

ドメインやサーバーはご本人の名義に切り替えた。自分の名義であれば、今後どこに依頼するにしても自由に動ける。特定の会社に縛られることがなくなる。

私がいただいたのは制作費だけ。月額の管理費はいただいていない。サーバーとドメインの維持費はご本人に直接払ってもらう形にしたので、月々の費用は数百円〜千円程度になった。

月3万円が月千円以下になるということは、年間で約35万円の差になる。その分を広告費に回してもいいし、設備を整えてもいいし、もっと直接的にお客さんのためになることに使える。

ホームページの費用に納得できないと感じたら

今回の話は、特殊なケースではない。

「何に払っているか分からないまま、毎月お金が出ていく」という状態は、小さな事業者の方にとって思った以上によくある話だ。最初に作ってもらったときは助かったかもしれない。でも、時間が経つうちに状況や必要なものは変わる。そのときに立ち止まって見直すのは、自然なことだと思う。

もし同じような悩みを感じているなら、まずは以下の3つを確認してみてほしい。

  • 何に対して月額費用を払っているか:契約書や請求書を見て、内訳を把握する
  • ドメインとサーバーが誰の名義か:自分の名義でなければ、移行の際に確認が必要
  • サイトの情報が今の事業と合っているか:古い情報や不要なページがないか見直す

全部自分でやる必要はない。「どうすればいいか分からない」という段階でも大丈夫です。現状を一緒に確認するところから始められます。