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2026.10.21

出来高請求書の書き方──計算方法・記入例・消費税の扱いまで

「出来高で請求してください」と言われたけど、書き方がよく分からない。

建設業では、工事の進み具合に応じて代金を分割で受け取る「出来高払い」がよく使われます。でも、いざ請求書を書こうとすると、計算の仕方や消費税の扱い、出来高調書との関係など、迷うポイントが多い。この記事では、出来高請求書の基本を記入例つきで整理します。

この記事で分かること:

  • 出来高請求の仕組みと計算方法
  • 請求書の記入例(金額入り)
  • 消費税の扱いと、元請けとの確認事項

出来高請求とは

出来高請求とは、工事全体の請負金額を一度にまとめて請求するのではなく、工事の進み具合(出来高)に応じて分割で請求する方法です。

たとえば、請負金額500万円の工事で、当月の出来高が30%なら、500万円 × 30% = 150万円を請求する、という考え方です。

建設業法第24条の3では、元請負人は下請代金の支払いについて、出来高払いの定めがある場合はそれに従うことが定められています(建設業法(e-Gov法令検索))。工期が長い工事では、下請け側の資金繰りを守る重要な仕組みです。

出来高の計算方法

出来高の計算には、おもに2つの考え方があります。

進捗率で計算する方法。工事全体に対して、当月までにどれだけ進んだかを割合で出します。「全体の30%が完了」なら、請負金額の30%が出来高になります。進捗率の判断は、工種ごとの完了度合いをもとに行うのが一般的です。

工種ごとに計算する方法。契約時に工種(基礎工事、躯体工事、仕上げ工事など)ごとの金額を決めておき、完了した工種の金額を積み上げます。こちらのほうが計算が明確で、元請けとの確認もしやすい。

どちらの方法を使うかは、元請けとの契約内容によります。着工前に確認しておくのがベストです。

請求書の書き方と記入例

出来高請求書の記入例です。実際のフォーマットは元請けの指定に従ってください。

※金額は架空の例です

項目内容
工事名○○邸外壁塗装工事
請負金額(税抜)5,000,000円
前月までの出来高累計1,500,000円(30%)
当月出来高1,000,000円(20%)
出来高累計2,500,000円(50%)
当月請求額(税抜)1,000,000円
消費税(10%)100,000円
当月請求額(税込)1,100,000円

ポイントは、前月までの累計と当月分を分けて書くことです。これがないと、元請け側で「全体のうち、いまどこまで進んでいるか」が確認できません。累計の出来高率も添えると、さらに分かりやすくなります。

出来高調書との関係

出来高調書とは、工事の出来高(進捗)を確認するための書類です。元請けと下請けの双方で出来高の認識を合わせるために使います。

出来高請求書とは別の書類ですが、セットで使うことが多い。流れとしては、まず出来高調書で「今月の出来高はここまでです」を元請けに確認してもらい、合意が取れたら、その出来高にもとづいて請求書を発行する、という順番です。

出来高調書のフォーマットは元請けが指定する場合が多いので、着工前に確認しておくとスムーズです。

消費税の扱い

出来高請求では、当月の出来高(税抜金額)に消費税を加えて請求するのが一般的です。最終回にまとめて消費税を計算するわけではありません。

インボイス制度の対象になっている場合は、建設業の請求書の書き方の記事で書いたように、登録番号や税率ごとの消費税額の記載が必要です(国税庁「インボイス制度について」。2026年10月時点)。

消費税の計算方法や端数処理について判断に迷うときは、税理士さんに確認してください。

元請けとの取り決めで確認すること

出来高払いをスムーズに進めるために、着工前に確認しておきたいことをまとめます。

  • 請求のタイミング。毎月何日締め・何日請求か。月末締め翌月○日払いが多いですが、元請けによって違います。
  • 出来高の確認方法。出来高調書を使うか、現場で確認するか。誰が出来高を確認して承認するか。
  • 保留金(リテンション)の有無。出来高の一部(たとえば10%)を工事完了まで保留する取り決めがある場合があります。保留がある場合は、当月の請求額が出来高より少なくなります。
  • 請求書のフォーマット。元請け指定のフォーマットがあるかどうか。自由書式でよいか。
  • 添付書類。出来高調書のほかに、写真や報告書の添付が必要かどうか。

これらを口頭で済ませてしまうと、あとから「そんな話は聞いていない」となりがちです。メールや書面で残しておくことをおすすめします。

稲咲堂に頼むとしたら

稲咲堂では、出来高請求書の作成やフォーマットの整備をお手伝いしています。「毎月の請求書づくりに時間がかかる」「テンプレートを整えたい」という方は、気軽に相談してください。

メニュー内容料金の目安
事務:スポット請求書作成、テンプレート整備など1時間 2,000円〜
事務:月額月10時間から。毎月の請求書作成を継続月30,000円〜

正式な金額は、無料相談のあとにお見積もりします。

税務に関する判断(消費税の申告方法など)は税理士さんの業務です。稲咲堂が担当するのは、請求書の作成・入力・整理といった事務作業の部分です。

まとめ

出来高請求は、建設業の資金繰りを支える大事な仕組みです。計算方法と書き方のポイントは、①前月累計と当月分を分けて書く、②出来高調書で元請けと認識を合わせる、③着工前に請求のルールを確認しておく、の3つ。テンプレートを一度整えてしまえば、毎月の手間はぐっと減ります。

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