2026.10.29
フリーランスの経理のやり方──毎日・毎月・毎年やることと時間を減らすコツ
「会計ソフトに入力してるけど、これで合ってるのか不安」
フリーランスの経理は、誰にも教わらずに手探りで始める人が多い。確定申告の時期に慌てて1年分をまとめ入力する、という経験がある方もいるのではないでしょうか。この記事では、毎日・毎月・毎年やるべきことを整理し、時間を減らすコツも紹介します。
この記事で分かること:
- フリーランスの経理で毎日・毎月・毎年やること
- 会計ソフト入力のよくある間違い
- 経理にかける時間を減らす方法
毎日やること
毎日やるべきことは、実はそんなに多くありません。
- 領収書・レシートを保管する。財布やポケットに入れっぱなしにしない。帰ったらすぐにまとめる場所(封筒、クリアファイル、写真で撮ってアプリに入れるなど)に入れる。
- 経費が発生したらメモする。何に・いくら使ったかだけでいい。会計ソフトへの入力は後でまとめてやっても構いませんが、「何に使ったか」は忘れる前にメモしておく。
毎日5分の習慣にできれば、月末や年末のまとめ作業がぐっと楽になります。
毎月やること
- 会計ソフトへの入力。その月の売上と経費を入力する。溜めると辛くなるので、月1回は入力の時間を確保する。
- 通帳・カード明細との照合。会計ソフトの残高と、実際の通帳やカードの残高が合っているか確認する。ここが合っていれば、大きな間違いはない。
- 請求書の発行と入金確認。取引先への請求書を発行し、前月分の入金を確認する。
- 領収書のファイリング。月ごとにまとめて保管。紙の場合は月別のクリアファイル、データの場合はフォルダ分けでOK。
毎年やること
- 確定申告。1月〜12月の収支をまとめて、翌年2月16日〜3月15日に申告。会計ソフトに毎月入力していれば、年末の作業はだいぶ減ります。
- 帳簿の締め。12月31日時点の残高を確認し、売掛金(まだ入金されていない売上)や未払金を確認する。
- 書類の保管。確定申告に関する書類は原則5年(帳簿は7年)の保管が必要です(国税庁「帳簿の保存期間」。2026年10月時点)。
確定申告書の作成と提出は、自分で行うか、税理士に依頼する形になります。経理代行と税理士法の記事で書いた通り、申告書の作成は税理士の業務です。
会計ソフト入力の確認ポイント
会計ソフトに入力するとき、特に確認したいポイントです。
- 日付。取引があった日を正確に。クレジットカードの場合、利用日と引き落とし日が異なるので注意。
- 勘定科目。会計ソフトの初期設定で問題ないことが多いですが、迷ったら自分で判断せず税理士に確認するのが安全です。
- 消費税の区分。課税・非課税・対象外の区分を間違えると、消費税の計算が狂います。インボイス制度の導入後は、仕入税額控除の適用にも影響します。
- 事業用と個人用の区別。プライベートの支出を事業の経費に入れない。事業用の口座とプライベートの口座を分けておくと管理しやすい。
よくある間違い
1年分をまとめて入力する。領収書の束を前に途方に暮れる。何に使ったか思い出せない。確定申告の直前に徹夜する。これがいちばん多いパターンです。月1回の入力を習慣にするだけで防げます。
領収書をもらい忘れる・なくす。経費の証拠がないと、申告のときに経費として認められない可能性があります。レシートが出ない支出は、出金伝票(いつ・どこで・何に・いくら払ったかを自分で書くメモ)で代用できますが、領収書があるに越したことはない。
経費にしていいか分からない支出を自己判断する。「これは経費になる?ならない?」の判断は、税務の知識が必要です。迷ったら自分で決めずに、税理士さんに相談してください。国税庁の「やさしい必要経費の知識」も参考になります(2026年10月時点)。
時間を減らす方法
銀行口座やカードを会計ソフトと連携する。多くの会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込む機能を持っています。手入力の量が大幅に減ります。
事業用と個人用の口座を分ける。混在していると、「これは事業用?個人用?」の判別に時間がかかる。口座を分けるだけで入力の手間は半分になります。
レシートはスマホで撮ってすぐ記録する。紙を溜めて月末にまとめるより、その場で撮影してアプリに入れるほうが早い。会計ソフトのスマホアプリを活用すると、移動中にも処理できます。
入力だけ人に頼む。記帳代行の料金の記事でも書きましたが、入力と整理の部分だけ外注して、確認と申告は自分(または税理士)がやる、という分担も有効です。
自分でやるか頼むかの分かれ目
自分でやるか、人に頼むか。判断の目安として、こう考えてみてください。
- 経理にかけている時間が月5時間以内で、自分でやれているなら、そのまま続けて問題ない。
- 月に10時間以上かけていて、本業の時間が削られているなら、一部を外注する価値がある。
- 1年分をまとめてやるパターンが毎年続いているなら、月1回の入力を習慣にするか、外注したほうがいい。
経理は自分でやる?外注する?の記事でも、判断の基準を詳しく書いています。
稲咲堂では、記帳代行をスポット1時間2,000円〜、月額30,000円〜で受けています。正式な金額は、無料相談のあとにお見積もりします。確定申告の代行は行いません。申告は税理士さんへ。
まとめ
フリーランスの経理は、毎日5分のレシート管理と月1回の入力を習慣にすれば、年末に慌てることはなくなります。大事なのは「完璧にやる」ことではなく「溜めない」こと。経費の判断に迷ったら自分で決めず、税理士さんに相談してください。