2026.10.21
経理は自分でやる? 外注する?──小さな会社の判断基準
「経理、自分でやってるけど合ってるか不安」
小さな会社や個人事業主の方から、この相談をよく受けます。会計ソフトに入力はしている。確定申告もなんとかやっている。でも、本当にこれで正しいのか自信がない。かといって、外注するほどの規模でもない気がする。
経理を自分でやるか、外注するか。どちらが正解かは会社ごとに違いますが、判断のポイントはいくつかあります。
自分でやるメリットと、見えにくいコスト
自分で経理をやるいちばんのメリットは、お金がかからないことです。会計ソフトの月額費用くらいで済む。お金の流れを自分で把握できるのも大きい。
ただ、見えにくいコストがあります。それは「時間」です。
領収書の整理、仕訳の入力、請求書の発行、振込の確認。一つひとつは30分で終わるかもしれません。でも、それが毎週、毎月積み重なると、月に10時間、20時間と取られていることがある。その時間を本業に使えたら、どれだけの売上になっていたか。
もう一つのコストは「不安」です。自分の処理が正しいか分からないまま続けていると、確定申告の時期に慌てることになる。Excelで管理している場合は、数式のミスや入力漏れのリスクもあります。
外注するメリットと、気をつけること
経理を外注するいちばんのメリットは、時間が空くことです。毎月の入力作業や集計から解放されて、本業に集中できる。専門知識のある人に任せることで、処理の精度も上がります。
一方で、気をつけたいこともあります。
まず、「中身が見えにくくなる」こと。任せっきりにしてしまうと、自分の会社のお金の流れが分からなくなる。外注しても、月次の数字くらいは自分で確認する習慣は残しておいたほうがいい。
それから、費用。事務代行の費用の記事でも触れましたが、経理代行の相場は内容によって幅があります。月に数万円で済むこともあれば、もっとかかることもある。「何を」「どこまで」任せるかで金額は変わります。
判断のポイントは3つ
自分でやるか外注するかを迷ったとき、以下の3つを考えてみてください。
1. 月にどれくらいの時間を使っているか。経理にかけている時間を一度計ってみる。月に5時間以内なら自分でやっても負担は小さい。10時間を超えているなら、外注を検討する価値があります。
2. 本業に集中できているか。経理のことが気になって、営業や制作に集中できない。月末が近づくと憂鬱になる。そういう状態なら、金額以上の価値が外注にはあります。
3. ミスや不安が出ていないか。「この仕訳で合ってるのかな」「去年の処理、本当に大丈夫だったかな」。そういう不安が常にあるなら、一度プロに見てもらうだけでも状況は変わります。
全部外注しなくてもいい
「外注」と聞くと、経理業務をまるごと任せるイメージがあるかもしれません。でも、実際にはもっと柔軟な使い方ができます。
たとえば、日々の仕訳入力は自分でやって、月末の集計と確認だけ任せる。請求書の発行だけお願いする。年に一度の確定申告の時期だけサポートしてもらう。事務代行で頼めることは、思っているより細かく選べます。
一人で事務を回している場合は特に、全部を手放すのではなく、「自分がやらなくていい部分」だけ切り出すのが現実的です。
迷ったら、まず棚卸しから
経理を自分でやるか外注するか、正解は会社の状況によって違います。売上の規模、取引の件数、本業の忙しさ。条件が違えば、答えも変わる。
まずやってみてほしいのは、「自分が経理に何時間使っていて、そのうちどれが自分でなくてもできるか」を書き出すこと。それだけで、次にやるべきことが見えてきます。
「書き出してみたけど、どこから手をつければいいか分からない」。そんなときは相談してください。稲咲堂の事務・バックオフィス支援では、経理まわりのサポートもやっています。状況を聞いたうえで、自分でやる部分と任せる部分の切り分けを一緒に考えます。