2026.10.21
業務引継書の書き方と無料テンプレート──「伝わる引き継ぎ」のコツ
「引き継ぎ資料はあるけど、結局よく分からない」
引き継ぎがうまくいかない原因の多くは、引継書の内容にあります。手順だけ書いてあっても、なぜそうするのか、イレギュラーのときはどうするのかが分からない。この記事では、伝わる引継書の書き方と、すぐ使えるExcelテンプレートを紹介します。
この記事で分かること:
- 引継書に書くべき9つの項目
- うまく引き継げない引継書の特徴と、書き方の手順
- 無料テンプレートのダウンロードと使い方
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引継書に書く項目
業務引継書に書くべき項目は、次の9つです。
| 項目 | 書く内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 業務名 | 何の業務かが分かる名前 | 月次売上報告書の作成 |
| 頻度 | 毎日・毎週・毎月・年○回など | 毎月1回(月末締め、翌月5日まで) |
| 期限 | いつまでに終わらせるか | 翌月5日 17時まで |
| 手順 | やることを順番に書く | ①売上データをダウンロード → ②Excelに貼り付け → ③… |
| 使うファイル・システム | ファイルの場所、システム名、ログイン方法 | 共有ドライブ > 経理 > 月次報告 フォルダ |
| 関係者・連絡先 | 確認する相手、報告先 | 経理部 田中さん(内線123) |
| 注意点 | 間違えやすいところ、気をつけること | 売上は税抜で集計する。消費税を入れると合わなくなる |
| トラブル時の対応 | よくあるトラブルと対処法 | データが取得できないときは、システム担当に連絡 |
| 引継ぎ状況 | 説明済み・実施済み・未着手のチェック | □ 説明済み □ 一緒にやった □ 一人でできた |
すべての項目を完璧に埋める必要はありません。「手順」と「注意点」の2つだけでも書いておけば、引き継ぎの質は大きく変わります。
うまく引き継げない引継書の特徴
引継書を作ったのにうまくいかない場合、共通する特徴があります。
手順しか書いていない。「①データをダウンロード → ②Excelに入力 → ③提出」。手順は分かるけれど、なぜそうするのか、間違えるとどうなるのかが書かれていない。判断が必要な場面で止まってしまいます。
書いた人にしか読めない。略語や社内用語が多い、前提知識がないと理解できない。書いた本人は分かるけれど、初めて読む人には分からない。
更新されていない。数年前に書いた引継書がそのまま残っているケース。システムが変わっていたり、担当者が変わっていたりして、情報が古い。
「聞けばいい」が前提になっている。口頭で補足する前提で書かれた引継書は、前任者がいなくなった瞬間に機能しなくなります。引き継ぎがうまくいかない原因の記事でも書きましたが、暗黙知(頭の中にしかない知識)をいかに文字にするかが鍵です。
書き方の手順
引継書を一から書くときの手順です。
ステップ1:業務の一覧をつくる。まず、自分がやっている業務をすべて書き出します。業務整理の記事と同じ要領です。「こんな細かいことまで?」と思うものも含めて。書き出したら、頻度(毎日・毎週・毎月・年に数回)ごとに分けると見やすくなります。
ステップ2:優先度の高い業務から書く。全部の業務をいっぺんに書こうとすると途中で止まります。「止まると困る業務」「期限がある業務」「自分しかやり方を知らない業務」を優先して、まずそこから引継書を書く。
ステップ3:実際にやってもらいながら修正する。書いた引継書を渡して、後任者に実際にやってもらう。「ここが分からない」と言われたところを加筆する。この工程が、いちばん引継書の質を上げます。一緒にやる時間を1回でも確保できると、仕上がりが全然違う。
テンプレートの使い方
この記事で紹介した9つの項目を盛り込んだExcelテンプレートを用意しました。
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テンプレートの構成は以下の通りです。
- 1枚目「使い方」シート:各項目の説明と記入のコツ
- 2枚目「引継書」シート:記入用。記入例が1〜2行入っています
使い方はシンプルです。「引継書」シートの記入例を参考に、自分の業務を1行ずつ書いていくだけ。項目が多くて書ききれない業務は、別のシートを追加して詳細を書いてください。
大事なのは「完璧に書くこと」ではなく「書き始めること」です。最初は空欄があっても構いません。マニュアル作成の記事でも書きましたが、「完璧なものをつくろう」と思うと手が止まる。まず粗くてもいいから書く、あとから直す、という進め方が続けやすい。
引継書だけでは足りないとき
引継書を書いてみて気づくのは、「そもそも業務のやり方が整理されていない」ということです。手順がバラバラ、ファイルの場所が人によって違う、判断基準が統一されていない。こうした状態では、引継書を書いても「カオスを書き写しただけ」になってしまいます。
そういうときは、引き継ぎの前に業務整理をするほうが近道です。やり方を整理して、マニュアル化して、それから引き継ぐ。一見遠回りに見えますが、結果的にはいちばんスムーズです。
稲咲堂の業務整理では、「現状整理パック」として、ヒアリング2回と整理レポートをセットにしたメニューがあります(50,000円〜)。引き継ぎの準備を手伝ってほしいという方にも対応しています。正式な金額は、無料相談のあとにお見積もりします。
まとめ
引継書は、手順だけでなく「なぜそうするか」「困ったときどうするか」まで書いてあると、伝わりやすくなります。全業務を一度に書く必要はありません。止まると困る業務から、1つずつ書き始めてみてください。
テンプレートは無料で使えます。ダウンロードして、まず1業務だけ書いてみてください。
「一人で書くのが難しい」「業務の整理からやりたい」という方は、気軽に相談してください。