2026.10.21
地方で起業するときの事務の準備──最低限やっておくこと
地方で起業する。都会とは違う環境で、自分のビジネスを始める。仕事の内容や営業先のことは考えていても、「事務まわりの準備」は後回しになりがちです。
個人事業主の開業準備の記事でも全体的な流れは書きましたが、今回は特に「事務」に絞って、地方で起業するときに最低限やっておくべきことを整理します。
開業時にやっておく事務の準備
1. 事業用の口座をつくる。個人の口座と事業の口座を分けておく。これだけで、お金の流れが格段に見やすくなります。確定申告のときにも楽になる。地方の場合、地元の信用金庫や地方銀行に口座を持っておくと、融資や補助金の相談がしやすいこともあります。
2. 請求書と見積書のテンプレートをつくる。仕事が入り始めてから慌ててつくるのではなく、先に用意しておく。Excelでもワードでも構いません。屋号、住所、振込先が入ったテンプレートを一つつくっておけば、あとは内容を変えるだけ。
3. 帳簿のつけ方を決める。会計ソフトを使うか、Excelでやるか。どちらでもいいですが、最初に決めておかないと、あとから移行するのが面倒です。最初は無料の会計ソフトやシンプルなExcelで十分。
4. 領収書の管理ルールを決める。もらったらどこに保管するか。月ごとに封筒に入れるのか、スマホで写真を撮るのか。ルールを一つ決めておくだけで、1年後の確定申告が全然違います。
地方ならではの事務の事情
地方で起業すると、都会とは少し違う事情があります。
相談先が近くにないことがある。税理士や行政書士が近くにいない地域もある。オンラインで相談できるサービスも増えていますが、「まず誰に聞けばいいか分からない」という状態になりやすい。
補助金や助成金の情報が入りにくい。地方には独自の創業支援制度や補助金がありますが、情報が行き届いていないことが多い。市区町村のホームページや商工会に聞いてみると、使える制度が見つかることがあります。補助金の報告書の記事も参考にしてください。
人を雇いにくい。事務の手伝いがほしくても、地方では人材を見つけるのが難しい。だからこそ、事務の外注という選択肢を早い段階で知っておくと、選択肢が広がります。
最初から完璧にやろうとしない
起業時の事務で大事なのは、「最低限を整えて、走りながら直す」ことです。
最初から完璧な経理システムを組む必要はないし、すべての書類のテンプレートを用意する必要もない。口座を分けて、請求書を出せる状態にして、領収書を捨てない。これだけで、最初の数ヶ月は乗り切れます。
事業が動き始めて、「もう少しちゃんと管理したい」と思ったときに、仕組みを整えればいい。業務整理の記事で紹介した方法は、起業後しばらくしてからでも使えます。
事務に不安があるなら、早めに相談を
「起業したいけど、事務のことがよく分からなくて不安」。そういう声は、地方ではよく聞きます。
稲咲堂は福島県大熊町にいます。立ち上げ支援として、起業時の事務の準備やホームページの制作もサポートしています。事務・バックオフィス支援として、開業後の事務を一部引き受けることもできます。
「何から手をつけたらいいか分からない」でも大丈夫です。相談していただければ、状況に合わせて一緒に整理します。