2026.10.15
事務代行って何を頼めるの?──個人事業主が「お願いしていいこと」を整理してみた
「事務代行っていうサービスがあるらしい。でも、うちみたいな小さいところが頼んでいいものなのか」
そう思って調べてみたけれど、出てくるのは大きな会社向けのサービスばかり。月額何十万円のプラン、専任チームの派遣、業務プロセスのなんとか……。自分には関係ないな、と画面を閉じてしまった経験がある方もいるかもしれません。
でも実際には、「ひとりで全部やっている人」こそ、事務を誰かに渡す意味があると思っています。今日は、個人事業主や少人数の会社が事務代行に何を頼めるのか、自分の経験から書いてみます。
「事務代行」って、要するに何なのか
名前だけ聞くと、なんだか大ごとに聞こえます。でもやっていることは、わりと地味です。
たとえば、毎月の請求書をつくる。Excelに数字をまとめる。報告書の体裁を整える。届いた書類を確認して、必要なところに転記する。
こういう「自分でもできるけど、時間を取られる仕事」を代わりにやる。それが事務代行です。特別な仕組みを入れるわけではなくて、いま手が回っていない事務作業を、外から手伝う。それだけのことです。
実際に頼まれることが多いもの
自分がこれまで受けてきた仕事から、よくある依頼を挙げてみます。
資料やデータの整理。散らばったファイルをひとつにまとめる、商品情報をExcelに整理する、名簿を更新する。地味だけど、やらないとどんどん溜まっていく作業です。以前、約13,000点の商品情報を整理した仕事がありましたが、あれも最初の依頼は「とにかくデータがぐちゃぐちゃで困っている」という一言からでした。
請求書や見積書の作成。毎月の取引先への請求書を決まったフォーマットでつくる、見積書を体裁よく仕上げる。テンプレートさえ決まれば、中身を更新していくだけなので、外に出しやすい仕事のひとつです。
報告書や提出書類。自治体への報告書、補助事業の実績報告、月次の収支まとめ。書式が決まっているものほど、やり方を共有すれば任せやすい。自治体向けの事務を担当した仕事では、予算管理から監査対応まで一通りやっていました。
Excelの集計や加工。売上データの集計、在庫表の更新、複数のシートを突き合わせる作業。手作業でやっていたものを関数やマクロで半自動化することもあります。
ほかにも、メールの下書き、会議の議事録整理、ウェブサイトの更新作業など。共通しているのは、「やり方が決まっている」か「決めれば回る」ものだということです。
逆に、頼みにくいもの
なんでも丸投げできるかというと、そうでもありません。
お客さんとの関係づくりや、事業の方向性を決めること。これは経営者自身にしかできません。あと、「この人にしか分からない判断」が毎回入る仕事も、最初の段階では渡しにくい。
ただ、「判断が必要だから全部自分でやるしかない」と思っている作業でも、よく分解してみると、判断が要るのは一部だけで、残りは手順通りに進められる、ということがけっこうあります。以前「自分でやったほうが早い」が続くときという記事でも書きましたが、「自分じゃないとダメ」の範囲は、思っているより狭いことが多い。
個人事業主でも頼んでいいのか
これ、実はよく聞かれます。
結論から言うと、個人事業主のほうがむしろ助かる場面は多いと思います。大きな会社には事務の担当者がいますが、ひとりでやっている人にはいない。全部自分です。営業も、制作も、経理も、雑務も。だからこそ、事務の部分だけでも誰かに渡せると、本業に使える時間がはっきり増えます。
「でも月に何十時間も頼むほどの量はない」という方も多いと思います。それでも全然いい。月に5時間、10時間でも、その分だけ手が空く。稲咲堂の場合はスポットで1時間から受けているので、「今月だけちょっと手伝ってほしい」でも対応できます。
頼む前に決めておかなくてもいい
「何を頼むか整理してから相談しないと」と思う方が多いのですが、実はそこから一緒にやるほうがうまくいきます。
自分も最初のヒアリングで、「いま何に時間がかかっていますか」という話から始めることがほとんどです。話しているうちに、「あ、これは渡せるかも」「これは自分でやったほうがいいな」と整理がついていく。
きれいにまとまっていなくていい。「なんとなく事務が溜まっている」「月末がいつもバタバタする」。そのくらいの感覚で声をかけてもらえれば、あとは一緒に考えます。
稲咲堂の事務・バックオフィス支援は、そういう「ちょっと手伝ってほしい」から始まることがほとんどです。気になったら、気軽に相談してみてください。