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2026.10.21

属人化を解消した事例──小さな組織で「あの人しか分からない」を減らした方法

「あの人がいないと、この仕事が止まる」

小さな組織では、よくある話です。人数が少ないから一人に任せるしかなくて、気がつくとその人しか分からない仕事になっている。属人化がなぜ起きるのかは別の記事で書きましたが、今回は「実際にどうやって解消したか」を、稲咲堂の代表・阿部がこれまで担当した仕事の中から紹介します。

この記事で分かること:

  • 属人化を解消した3つの実例(商品管理・事務局運営・在庫管理)
  • 事例に共通する進め方
  • 小さな会社が最初にやるべきこと

属人化とは

属人化とは、特定の人にしかできない(または、その人しかやり方を知らない)状態のこと。その人が休んだり辞めたりすると、業務が止まったり、引き継ぎに大きな手間がかかったりします。

小さな組織ほど起きやすい。一人ひとりの担当範囲が広いので、「この仕事は○○さんに聞いて」が自然に増えていくからです。

事例1:商品登録の方法が人によって違った(小売・EC)

状況

約13,000点の商品情報を扱うEC業務で、商品登録の方法が担当者ごとに異なっていました。入力のルールが統一されておらず、表記のばらつきや入力ミスが発生。一部の人に作業が集中していて、その人がいないと登録作業が進まない状態でした。

やったこと

  • 商品マスタ(商品情報の一覧表)を作成して、情報の持ち方を整理
  • 登録ルールを統一し、マニュアルを作成
  • Excel管理の方法を改善し、VBA(Excelの自動処理の仕組み)で繰り返し作業を自動化

結果

商品登録にかかる時間が約50%短くなり、登録ミスも減りました。誰がやっても同じように登録できる状態になったことで、特定の人に作業が集中する状態が解消されました。

→ この事例の詳細

事例2:「誰かがやるだろう」で事務が止まっていた(地域団体)

状況

地域団体の事務局運営で、申請書類の作成、経費管理、補助金事業の進行管理、Web・EC運営など、多岐にわたる業務がありました。担当の割り振りが曖昧で、「誰かがやるだろう」と思っている仕事が放置されたり、逆に同じ確認を複数人がやっていたり。誰が何をやっているか分かりにくい状態でした。

やったこと

  • 業務を一覧にして、誰が何を担当するかを明確にした
  • 申請・契約・経費の流れを整理し、手順を決めた
  • スケジュールと進捗を見える形にした
  • 関係者との連絡・調整の窓口を整理した

結果

「誰がやるか分からない仕事」がなくなり、業務が止まることが減りました。現在も継続して事務局運営を担当しています。

→ この事例の詳細

事例3:在庫管理のやり方が一人の頭の中にあった(物流)

状況

物流業で、在庫管理の仕組みが十分に整っていませんでした。在庫の数が合わない、商品がなくなる、余剰在庫が増える。個々の問題に対処していたものの、入荷から出荷までの流れ全体を見直す必要がありました。管理のやり方が特定の人の経験と判断に依存しており、その人がいないと対応が難しい場面がありました。

やったこと

  • 在庫管理の部門をゼロから構築
  • 入荷から出荷までの業務フロー全体を見直し
  • 在庫の数え方、記録の方法、チェックの仕組みを整備

結果

年間約3,000万円のコスト削減につながりました。紛失、余剰在庫、在庫差異、入荷の食い違い、出荷ミスといった問題が改善し、特定の人に頼らなくても管理できる仕組みになりました。

→ この事例の詳細

3つの事例に共通する進め方

業種も規模も違う3つの事例ですが、共通していたことがあります。

1. まず「今どうなっているか」を書き出す。属人化している状態は、そもそも全体像が見えていないことが多い。誰が何をどうやっているかを、まず目に見える形にする。これが最初の一歩です。

2. 仕組みをつくってから、人を変える。「この仕事をあの人に引き継いで」と人を動かすだけでは、うまくいかない。ルールやマニュアルや管理の仕組みを先に整えてから、人の配置や役割を変える。順番が大事です。

3. 一気にやらない。すべての業務を同時に見直そうとすると、途中で止まる。いちばん困っている業務、いちばん止まると影響が大きい業務から手をつける。小さく始めて、効果を確認しながら広げていく。

小さな会社が最初にやること

大がかりなプロジェクトを始める必要はありません。まず、こんなことから始められます。

  • 「この人がいないと困る業務」をリストにする。名前と業務をセットで書き出すだけで、どこにリスクがあるかが見えてきます。
  • その業務の「やり方」をメモにする。完璧なマニュアルでなくていい。マニュアル作成の記事でも書きましたが、最初は箇条書きのメモで十分です。
  • 一つだけ、誰かに引き継いでみる。実際にやってもらうと、「ここが分かりにくい」「ここは口頭で聞かないと分からない」がはっきりする。引き継ぎがうまくいかない原因を知っておくと、進めやすくなります。

稲咲堂に頼むとしたら

稲咲堂では、「属人化を解消したいけど、何から手をつければいいか分からない」という相談を受けることがあります。

まずは現状を聞いて、どの業務にリスクがあるかを一緒に整理するところから始めます。そのうえで、マニュアルを作る、業務のやり方を見直す、引き継ぎを手伝うなど、必要なことを進めていきます。

メニュー内容料金の目安
業務整理:現状整理パックヒアリング2回+整理レポート50,000円〜
事務:月額月10時間から。継続して担当月30,000円〜

正式な金額は、無料相談のあとにお見積もりします。

稲咲堂ができるのは、業務の整理、マニュアルの作成、引き継ぎの支援、日々の事務作業の代行です。税務書類の作成や申告は税理士さん、許認可の手続きは行政書士さんなど、専門家が必要な業務はつなぎます。

まとめ

属人化の解消は、特別なツールや大きな予算がなくても始められます。「今どうなっているかを書き出す」「仕組みを先につくる」「小さく始める」。この3つが共通するポイントでした。

「うちの会社、あの人がいないと回らない」と感じているなら、まずは状況を聞かせてください。何から手をつければいいか、一緒に考えます。相談は無料です。

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